川越氷川神社の「あい鯛みくじ」で変わった私。過去の傷を乗り越え、心許せる彼と巡り合えた話
過去の傷に囚われ、新しい恋に踏み出せなかった私
私は20代後半を迎える頃、過去の恋愛で深く傷ついた経験を引きずっていました。数年間お付き合いしていた彼との別れが想像以上に辛く、次の恋愛へ踏み出す勇気が持てずにいたのです。
周りの友人たちは結婚したり、新しい彼を見つけたりと、人生のステップを進んでいるように見え、取り残されているような焦りを感じていました。良いなと思う人がいても、どうせまた傷つくのではないか、ありのままの自分を受け入れてもらえるはずがないと、無意識に距離を置いてしまう悪循環に陥っていたのです。
そんな時、SNSでたまたま目にしたのが、川越氷川神社の縁結び体験談でした。特に「あい鯛みくじ」を釣るという、そのユニークなスタイルに惹かれました。単なるお参りではなく、何か行動を起こすことで、自分の気持ちにも変化が生まれるかもしれない。藁にもすがる思いで、川越氷川神社を訪れることにしました。
小江戸の風情と、心惹かれる「あい鯛みくじ」
川越氷川神社を訪れたのは、初夏の晴れた日でした。最寄りの駅から少し歩くと、趣のある街並みが現れ、「小江戸」と呼ばれる由縁を感じました。神社に近づくにつれて、木々の緑が増え、空気が清らかになっていくのを感じました。
境内に入ると、まず目を引いたのが、夏限定の「縁結び風鈴」でした。色とりどりの短冊が飾られた風鈴が涼やかな音を奏でていて、多くの人が楽しそうに写真を撮っていました。その賑やかな雰囲気とは対照的に、本殿や周りの木々は静かで、厳かな空気に包まれていました。
私の目的である「あい鯛みくじ」は、境内の特定の場所にありました。ピンクと赤の鯛の形をしたおみくじがずらりと並べられていて、釣り竿を使って自分で好きな鯛を「釣る」スタイルです。その光景を見ているだけで、心が少し和むのを感じました。
釣り竿を手に取り、並んだ鯛の中から一つを選んで糸を垂らす時、私は心の中で強く願いました。それは、新しい素敵なご縁に巡り合いたい、ということだけではなく、過去の失恋の痛みを乗り越え、ありのままの自分を肯定できるようになりたい、という切実な願いでした。
おみくじの言葉と、小さな心の変化
私が「釣った」のは、可愛らしいピンク色の鯛でした。ドキドキしながらおみくじを開いてみると、そこに書かれていたのは、直接的な恋愛成就の言葉というよりは、自分自身を大切にすること、過去の出来事にとらわれすぎないこと、そして必ず理解し合える相手と巡り合える、といった温かいメッセージでした。
特に心に残ったのは、「焦る必要はありません。自分自身を愛し、自然体でいることが、良いご縁を引き寄せます」というような内容です。まさに、当時の私が一番必要としていた言葉でした。
おみくじを結び所に結び、私は境内の他の場所もゆっくりと見て回りました。絵馬にはたくさんの願い事が書かれており、皆同じように幸せなご縁を願っているのだと感じ、一人ではないという安心感を得ました。本殿にお参りし、木々に囲まれた道を歩いていると、不思議と心が落ち着いていくのを感じました。過去の出来事が少し遠いものに感じられ、未来への希望が少しずつ湧いてくるのを感じたのです。
訪問後の変化と、思いがけない出会い
川越氷川神社を訪れてから、すぐに劇的な変化があったわけではありませんでした。しかし、あのおみくじの言葉を思い出すたび、以前ほど過去の傷を気にする必要はないのかもしれない、焦らなくても大丈夫なのかもしれない、と自分に言い聞かせることができるようになりました。
それまで、誰かにどう見られるかを気にしすぎて、素の自分を出せなかったのですが、少しずつ肩の力が抜けていったように思います。友人と話す時も、前ほど気を遣わなくなり、自然な笑顔が増えたと友人から言われることもありました。
あい鯛みくじを釣ってから約半年が経った頃、私は仕事関係の懇親会に参加しました。普段なら、控えめに端の方にいることが多いのですが、その日は不思議と積極的に色々な人と話したいという気持ちになりました。
そこで出会ったのが、今の彼です。彼は私の話を真剣に聞いてくれ、私が少しネガティブな過去の話をしても、否定することなく、むしろ「それは辛かったね」と優しく寄り添ってくれました。彼の穏やかで誠実な人柄に触れ、久しぶりに心から安心できる人だと感じました。
心許せる彼との穏やかな関係へ
彼との関係は、友人としてゆっくりと始まりました。何度かグループで会ったり、共通の趣味の話で盛り上がったりするうちに、二人で会う機会が増えました。一緒にいると、過去の私が見せていたような無理な笑顔を作る必要がなく、どんな私も受け入れてくれるような温かさを感じました。
彼に、過去の恋愛で深く傷ついた経験があることを正直に話した時も、彼は何も言わず、ただ優しく私の手を取り、「これからは僕が一緒にいるから大丈夫だよ」と言ってくれました。その時、私はやっと過去の重荷を下ろせたような気がしました。川越氷川神社で願った、「ありのままの自分を受け入れてくれる人」に巡り合えたのだと実感しました。
現在、彼とは真剣にお付き合いをしており、結婚も視野に入れたお付き合いをしています。彼と出会ってから、私は以前よりも自分自身を肯定できるようになり、過去の傷も完全に癒えたわけではありませんが、乗り越えることができたと感じています。
焦りを手放し、自分を信じること
川越氷川神社での「あい鯛みくじ」体験は、私にとって単なるお参り以上の意味がありました。それは、自分自身と向き合い、過去を手放し、未来への一歩を踏み出すための小さなきっかけでした。
もし、あなたが過去の恋愛で傷つき、新しい関係に不安を感じているなら、焦る必要はありません。自分自身を大切にし、心穏やかに過ごすことが、きっと素敵なご縁を引き寄せるはずです。パワースポットは、そのための後押しをしてくれる場所かもしれません。川越氷川神社の清らかな空気と、可愛らしい「あい鯛みくじ」が、あなたの心をそっと解きほぐしてくれることを願っています。